PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、化学的・熱的に安定していて、電気絶縁に優れることから、熱媒体、変圧器・コンデンサ等の絶縁油に広く使用されてきましたが、国内ではカネミ油症事件により、その有害性が問題になったことから、昭和40年代後半には製造、輸入等が禁止されました。
しかし、コンデンサなどPCBが密閉された状態にある製品については使用が禁止されなかったため、現在も使用されている製品があります。そのため、昔の織物工場などで使用されていたトランスやコンデンサ等の各種電気機器には有害性物質であるPCBを含む絶縁油が封入されているおそれがあります。これらが不用となり廃棄物になったものをPCB廃棄物といいますが、PCB廃棄物は、知らずに売買・処分しても違法となり、処罰の対象となる場合があります。PCB廃棄物を保管中の皆様には、適正な保管と処理をお願いします。
PCB廃棄物を保管している方は、京都府知事へ届出を行うことのほか、平成39年3月末までの処分が義務づけられています。保管場所が与謝野町内の場合、PCB廃棄物の手続きや相談は、京都府丹後保健所環境衛生室(0772-62-1361)へお問い合わせください。
PCB廃棄物等に該当するかどうかの確認方法
PCB廃棄物には、PCB廃油、PCBを含有する絶縁油を封入している電気機器、PCB油が付着した容器、PCB油が染み込んだウェス等、PCBが使われているノンカーボン紙・塗料・シーリング材などがあります。また、PCB廃棄物は、『高濃度PCB廃棄物』と『微量PCB廃棄物』の2つに大別されます。その種類に応じて保管又は処理する必要があります。なお、高濃度PCBと微量PCBでは処分先が異なります。PCBの有無については、各メーカーにお問い合わせください。なお、一般社団法人日本電機工業会(JEMA)ホームページでもPCB使用電気機器の判別が検索できます。PCB廃棄物は保健所への届出が必要です。まだ届出されていないものがあるようでしたら、早急に行ってください。
高濃度PCBの場合
「高濃度PCB」とは、PCBが意図的に使用されているもののことです。昭和47年以前に製造されたものはPCBが使用されている可能性がありますので、機器の銘板等に記載の情報から、JEMAのウェブサイトや製造メーカーのウェブサイト等で、高濃度PCBに該当するかどうかを確認してください。(使用中の機器の銘板等を確認する場合は、感電事故等のないよう、電気主任技術者等の責任のもとに行ってください。高濃度PCBかどうかは、基本的に銘板の情報(製造者、製造年、型式、製造番号等)から読み取ることができますので、PCB濃度を分析測定する必要はありません)。
PCBが使用されている製品だけでなく、PCB油が付着又は染み込んだ容器や布等もPCB汚染物になります。高濃度PCBが付着等したPCB汚染物を後述の微量PCB汚染物の処理施設で処理することはできませんので、ご注意ください。濃度PCB廃棄物の処理は関西地域では、日本環境安全事業(株)(JESCO)大阪事務所のみ処分が行えます。処理委託方法等については、JESCOにお問い合わせください。
※なお、高濃度PCB廃棄物の処理費用については、中小企業者等を対象に70%を軽減する制度や、個人には95%を軽減する制度もあります。
微量PCBの場合
「微量PCB」とは、本来はPCBを使用していないのに、意図しない混入により、絶縁油中のPCB濃度が0.5mg/kgを超えているもののことです。意図しない混入のため、製造が禁止された以降も微量PCBが混入していた可能性があり、平成元年以前に製造された機器が対象となります。
JEMAのウェブサイト等や製造メーカーへ問い合わせた結果、「出荷時のPCB不含有を証明できない」と回答されたものや、メーカー納入後の絶縁油の補充・入替情報が不確かなものは、微量PCB混入の可能性を否定できないので、絶縁油中のPCB濃度を分析測定し、微量PCBに該当するかどうかを確認する必要があります(分析の結果、絶縁油中のPCB濃度が0.5mg/kg以下と判明したものはPCB廃棄物には該当しません)。微量PCBは廃棄物処理法に基づく無害化処理認定施設等で処理することができます。絶縁油中のPCB濃度が0.5mg/kg超と判明された機器類だけでなく、微量PCB汚染絶縁油が付着または染み込んだ容器やウェス等も微量PCB汚染物になります。