対話で拓くまちの未来
第102回令和3年6月与謝野町議会定例会が閉会しました。会期中には、町の懸案事項でありました「野田川地域の社会教育施設及び就学前教育・保育施設のあり方」について、今後の方向性を示すとともに、多くの議員の皆さまからも関連のご質問をいただいたところです。
令和2年7月に設置した「野田川地域の社会教育施設及び就学前教育・保育施設のあり方検討委員会」では、本件について大所高所から熟議を重ねていただきました。その結果、住民の皆さまへ提案させていただきました幼保連携型認定こども園の設置と社会教育施設の再編・統合も含む計画(案)について、計画立案段階において、より多様な住民参加による検討が必要であったと強くご指摘をいただきました。私はこの指摘を真摯に受け止めます。
現在、私たちの町は、少子化により社会で働ける人口が減少し、税金を納めていただける人が減っていく一方で、高齢者の割合が増え、扶助費など社会福祉面での支援費用が増大しています。これらを要因の一つとして、町の財政に余裕がなくなり、すべての公共施設を維持するだけの費用を捻出することができなくなっている状況です。また、道路や橋梁等といった社会基盤設備も同様に老朽化が進んでおり、関連の維持更新費用も膨大になると見込んでおります。
このような厳しい状況であったとしても、子どもからお年寄りにいたるすべての住民の皆さまが活き活きと暮らすことができると同時に、これから産まれてくる子どもたちにとっても希望の持てる持続可能なまちであり続けなければなりません。そのためには、今を生きる私たちがオール与謝野で現実に向き合い、知恵を出し合い、対話を重ねなければならないと、あらためて認識いたしました。
そのためにも、現計画案を一旦提案前に戻すことが必要と判断いたしました。そのうえで、年齢・性別・居住地・肩書などに関係なく、多様な方々にご参画いただき、白紙の状態から皆さまとともに対話を重ね、一緒に方向性を見出していくことを決心いたしました。
人口増加時代から人口減少時代へと移り変わったことで、まちづくりの根幹を見直さなければならなくなりました。その変化に向き合い、真に持続可能なまちづくりへの一歩を踏み出すために、住民の皆さまと対話による豊かなまちづくりへのご理解とご協力を心からお願い申し上げます。
令和3年6月18日 与謝野町長 山添 藤真