最終更新2024年03月29日(金) 08時30分
講師 | 京都府立大学 文学部 准教授 上杉和央 氏 |
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日時 | 令和6年1月21日(日) |
会場 | 岩滝保健センター |
京都府立大学文学部の上杉和央氏を講師に迎え、「江戸時代の地図 日本図と丹後図を中心に」を岩滝保健センターで開催しました。
地図にも世界図や大陸図、日本の国、群、村、城、屋敷図などがあります。そういった地図を作成した人物では、江戸時代の地図を作成した伊能忠敬が有名です。当時の地図作成は、国(丹後、丹波等)単位が基本で、その集合体が日本であるという考えで地図が作られていました。国同士の地図をくっつけて、日本図を作成していたということです。その中で、伊能忠敬は国を取り払い、境のない「日本図」を完成させるという偉業を遂げています。
徳川政権では、全ては徳川から与えられているものと認識させる目的で地図を作成させており、各地域の村から地図に石高を記載させて経済力を把握していました。
また、「正保国絵図」の作成の話として、島原の乱の際、徳川政権は簡単に制圧できると見込んでいましたが、軍を動かすにあたり宿波がどこにあるかわからない事態が起こり、制圧に半年もかかりました。その反省から、改めて軍の配備をすみやかに行えるよう情報収集を行い、作成されたものが「正保国絵図」と呼ばれるものだと、地図作成の背景にある歴史を紹介いただきました。
講座の様子
その他、丹後の国絵図や丹後絵図のほか、日本海山潮陸図といった出版図もご紹介いただきました。
現在はグーグルマップなど便利な時代となりましたが、先人たちの苦労に思いを馳せながら地図を見るのも面白い、と思わせられる講義でした。
講座の様子