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【よさのみらい大学講座レポート】知ってみよう!つながってみよう!「与謝野まちづくり交流会」

最終更新2024年03月22日(金) 08時30分
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知ってみよう!つながってみよう!与謝野まちづくり交流会
講師 NPO法人テダス 高橋博樹 氏
日時 令和6年2月17日(土)午後2時~4時
会場 生涯学習センター 知遊館
参加者 39名
企画・運営 つながる丹後

 今回の地域づくり学部では、多様な主体による協働のまちづくりの推進に向けて、NPO・任意団体と地域が連携した取り組みへの理解を深めることを目的として講座を開催しました。
 前半は「知ってみよう!」として協働について学ぶパート、後半を「つながってみよう!」としてワークショップを通して参加者同士の交流会を実施しました。

「知ってみよう!」 講演:協働したまちづくり

講師の高橋氏

講師の高橋氏

 「知ってみよう!」の講演は、NPO法人テダスの代表理事 高橋博樹氏を講師に迎え、協働したまちづくりとしてNPOや任意団体の解説から地域との協働について、お話していただきました。

 講師の高橋氏は、協働を考える前に、営利組織と非営利組織について解説。営利組織の起源は、東インド会社の設立にさかのぼります。貴族たちが船をチャーターしてリスクを分散させるための仕組みとして始まり、貴族たちが利益を得ることを目的としました。資本家である貴族が自分たちの資産額を働かずして増やす、これが営利組織の姿だとし、「多くの人は営利・非営利の区別がついてへんから、どうしても非営利を稼いだらあかん世界に押し込みたくなる。働かずして稼ごうとしているのが営利です」と説明。つまり、非営利組織は「利益を分配しない」という意味であり、団体として収入を得ること(収益事業)やたくさん稼ぐことはやってもよいことだと話します。
 営利組織と非営利組織は、活動の目的や収益源が大きく異なり、営利組織は株主の利益追求を中心とし、利益を最大化することを目指す。一方、非営利組織は社会貢献や目的達成を重視し、その活動の持続性を確保するために収益事業を行うことだとして、「株主のために稼ぐ組織ではないと宣言しているのがNPOであり、活動継続のためには堂々と稼ぎましょう」と参加者に訴えかけました。

講演を聴く参加者

講演を聴く参加者

参加者の様子

参加者の様子

熱心に講演を聴きます

熱心に講演を聴きます

 次に高橋氏は、協働の動きが盛んになった経緯を解説。従来の社会は、行政と民間企業という二分割の形で進んできたが、公平性と利益性のバランスが崩れ、公の役割が強調されすぎた結果、地域社会に隙間が生じ、それをNPOなどが埋めようとしています。この状況は人口減少などと絡み合い、地域の住み心地の低下につながります。そのため、行政だけでなく、地域住民も協働で地域の課題に取り組む必要が出てきたとされます。

団体運営には「共感と信頼」

団体運営には「共感と信頼」

 次に「NPO等の団体が育っていくためには」ということで、お金の稼ぎ方を解説。高橋氏は、「業務委託」「参加費などの受益者からの料金」「寄付金集め」の3つを挙げたうえで、「4つ目に補助金とよく言いますが、補助金に頼り続ける団体運営はあまりおすすめしない」と話します。「補助金がなかったら、活動を続けれませんというような運営の仕方は苦しい。補助金はスタートアップ」であるとして、業務委託や参加費、寄付などで運営する団体を紹介。
 業務委託や寄付などで運営できている団体は「それだけの信頼を集められるか」だと話し、NPO等の団体の発展に必要なものとして、高橋氏は「共感と信頼」について解説。「共感」とは事業力であり活動内容の充実を指し、「信頼」は組織の事務力であり実務の丁寧さから生まれてくるものだと話します。一緒に活動するスタッフや仲間・寄付が集まるには、この共感と信頼が必要だと言います。

NPOの夢は、課題を解決し、役割を終え、解散すること

NPOの夢は、課題を解決し、役割を終え、解散すること

 最後に、高橋氏は「NPO(市民団体)の夢は、課題を解決し、役割を終え、解散すること」と言います。「地域の課題がすべてクリアされたら、もう解散したらいいんです。例えば川のゴミ拾いなど環境問題に取り組んでいる団体があれば、川のゴミが一切出なくなったら解散。続けること・しがみつくことをしてはいけません。どうやったら我々が解散できるのか、という目的を掲げましょう」と話し、講演を締めくくりました。

「つながってみよう!」 ワークショップ:交流タイム

ワークシートに取り組みます

ワークシートに取り組みます

今日からできる協働ってなんだろう?

今日からできる協働ってなんだろう?

グループごとにさまざまな意見がでました

グループごとにさまざまな意見がでました

 後半はグループごとにワークシートを使用してグループワークを実施。自己紹介からはじまり、自分たちのやっている協働の取組み・他参加者の取組みを知り、「今日からできる私の“協働”」を考えてもらいました。少し難しいワークシートではありましたが、「自分たちの取組みを知ってもらうこと」「他の団体を知ること」「今回のような交流会に参加してみる」などの今日からできる協働への意見が出ました。
 グループ内では、ワークシートに限らず積極的な交流が行われ、自分たちの取り組みへの参加を呼び掛ける様子や一緒にできそうなことを模索されている様子が見られました。

団体紹介シート

団体紹介シート

団体紹介シートを読む参加者

団体紹介シートを読む参加者

団体紹介シートを読む参加者

団体紹介シートを読む参加者

 また今回の交流会では、地域で活動する団体を知ってもらうために団体紹介シートを作成し、掲示しました。当日参加することができなかった団体も、団体紹介シートを通して、団体を知ってもらうことができました。それぞれの団体が持参したチラシも配架。すべてのチラシを手に取った方に話を聞くと「自分たちの活動と一緒にできることがあるかもしれないので、他のメンバーにも共有したい」と話し、交流会をきっかけとした団体交流の輪の広がりを感じました。

講座後も参加者同士の交流が生まれました

講座後も参加者同士の交流が生まれました

交流会の様子

交流会の様子

講座参加者の感想

講座終了後のアンケートでは、次のような声が寄せられました。
・町内で活動されている様々な団体を知ることができた。地域と行政との関係性について考えさせられた。
・政経の授業で「NPO」という言葉は習いましたが、言葉を習っただけで本当の意味をよく分かっていませんでした。今回の講演で「NPOとは何か」を正しく知ることができて良かったです。また、いろいろな立場の人が交流できる機会で良かったと思います。
・とてもおもしろかったです。わかりやすく、はっきりと教えてくださり、NPOのこともよくわかりました。地域の方と知り合いになれてうれしかったです。
・高橋さんのお話もとても勉強になりました。後半も楽しく情報共有できてよかったです。
・NPO法人の会社で働き、会社を育てている途中ですが、お話しをおききし、整理ができました。行政の方とかかわる機会もありますが、共に町づくりや子どもたちのくらしやすい町づくりを「共に」つくる同志になれたらと思えました。

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