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【よさのみらい大学講座レポート】はじめよう、国内外の『特別な旅』を求める人へ丹後のスペシャルな旅づくり

最終更新2023年04月01日(土) 10時00分
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はじめよう、国内外の『特別な旅』を求める人へ丹後のスペシャルな旅づくり
日時 第1回目:2023年1月23日 19:00〜20:30
第2回目・3回目:2023年2月18日 13:00〜14:30/15:00〜16:30
講師 〇一般社団法人 日本アドベンチャーツーリズム協議会 理事 山下 真輝 氏
〇一般社団法人 日本アドベンチャーツーリズム協議会 加藤 菊緒 氏
〇株式会社リュウキュウウチコ 代表取締役 内田 亜由美  氏
会場 第1回目:オンライン
第2回目・第3回目:与謝野町産業創出交流センター

今回の地域づくり学部では、国内外の「特別な旅」を求める人へ向けた丹後のスペシャルな旅づくりを考えていく連続講座を行いました。

第1回目講座

第1回オンライン講座の様子

第1回オンライン講座の様子

コロナ収束後に向けての観光産業の可能性として、“付加価値の創造”が生まれる旅づくりについて、世界のアドベンチャーツーリズムの状況や2022年にスイスで開催されたアドベンチャーツーリズムのワールドサミットの様子などをご紹介いただきました。

アドベンチャーツーリズムについての講義の様子

アドベンチャーツーリズムについての講義の様子

日本アドベンチャーツーリズム協議会というのは、観光関連団体、大学、企業と共に、「アドベンチャーツーリズムの認知向上と普及」、「高付加価値、高品質、高額なアドベンチャーツーリズム商品の企画支援、流通支援、人材育成などの体制整備」、「主要市場である欧米 を中心としたアドベンチャーツーリズム旅行者の日本への誘致の推進」を目的とし設立された社団法人です。
日本アドベンチャーツーリズム協議会 理事 山下 真輝氏は、国際団体ATTA(Adventure Travel Trade Association)の理念を日本に伝えていく仕事をされています。

アドベンチャーツーリズムとは

アドベンチャーツーリズムというものは、アクティブな体験ばかりではありません。個人だけではできないような領域の体験をガイドさんと一緒だから体験できるという価値が魅力です。
実施を通じて地域をより深く、楽しみながら地域の人々と双方向で自然と文化を知ることが大切で、アクティビティは手段となります。
アドベンチャーツーリズムでは、「自然とのふれあい」「身体的活動」「文化交流」の3要素のうち、2つ以上が主目的である旅行とATTAでは定義されています。

講師の山下氏

講師の山下氏

エコツーリズムとアドベンチャーツーリズムは、自然や文化を保護していく姿勢は共通するところですが、アプローチがやや異なります。エコツーリズムは、体験や学習を通じて保護の意識を高めること(アカデミック)を重きとしますが、アドベンチャーツーリズムは、体験価値のために本物の自然や文化の保護に取り組み、地域の経済効果として持続可能になること(経済性)を重視します。

マスツーリズム(団体旅行)とのバランスも難しいですが、少人数でも経済効果を高めていけるよう、量より質のツアー自体の魅力を高める必要があります。
それには、ツアーに参加した人がどういう気持ちになるかを重視して考えることが大切です。

【旅行の本質とする5つの体験価値】

1、今までにない特有の体験
他の場所では味わえない、その地ならではの体験がある
2、自己変革
体験を通じて、自己が成長・変化していくことを感じることができる
3、健康的
旅行前より心身ともに健康になった感覚を得ることができる
4、挑戦
身体的・心理的にさまざまな意味合いでの「挑戦」の要素が体験に含まれている
5、環境への配慮
体験にあたって、文化や自然に対する衝突を最低限に抑えられていると感じられる

山下講師は、イタリア・トスカーナ地方で実施されるアドベンチャートラベルツアーの事例、長野県の山岳高原リゾートを舞台としたロングトレイルの事例をあげながら、実際どんな感じで、付加価値を生む旅がつくられているのかを紹介しました。

『四方よし』の設計

参加者の旅への思いは、高級ホテルへの宿泊よりも、特別な体験に対してお金をはらいたい。地域社会に対する経済的利益を最大化にしたいという思いが大きいです。
観光には求められる3つの貢献「環境面、社会面、経済面」の指針があり、「観光客よし、観光事業者よし、地域よし」の『三方よし』は当たり前。「環境よし」も入れての『四方よし』がベースにあります。
それには、ガイドの意識が重要です。
持続可能性、技能と応急処置、安全とリスクマン地面と、顧客サービスとグループマネジメント、自然史や文化史の解釈が理解できている等の行動指針をおいて、品質をどうやってあげていくかが着目されています。

地域のコミュニティの在り方も大切になります。
山下講師は、体現しているスイスについての紹介をしました。スイスでは、認証制度がありその基準にのっとって経営しないといけないように徹底されています。移動先に荷物を運んでくれるラゲージサービスまで整っています。地域のストーリーを追いかけるような流れで、滞在型のツアーになります。
地域のストーリー(価値)と紐づけた展開の観光案内が日本では乏しいようです。今、北海道や大分県では、自然環境を活かしたアクティビティを充実させていって先進的なエリアができてきているそうです。

目的にするブランドづくり

一事業者だけがやってるのでは厳しく、事業者、ガイドだけでなく地域としての観光政策をどうつくっていくかルールをどう整備していくかという視点も大切になってきます。地域で管理して、次世代に継承できるようにつくっていく体制、単に保全ではなく経済効果も可視化していくこと。地域に伝達することも大切。行動基準を徹底する。官民で体制をつくっていくことが大事になります。と山下講師はしめくくられました。

後半は、一般社団法人アドベンチャーツーリズム協議会の事務局を担う加藤菊緒講師より2022年にスイスで開催されたアドベンチャートラベルワールドサミットの様子を紹介いただきました。

次は講師の加藤氏の講義です

次は講師の加藤氏の講義です

アドベンチャートラベルワールドサミット

加藤講師は、2022年にスイスで開催されたワールドサミットのスケジュールや写真などを通じて詳細な様子を紹介しました。
サミットに向けて事前に任意参加で4泊5日ほどのツアーがスイス各地で実施されたり、サミット開催中も日帰りツアーや、ヨガや瞑想の体験プログラムを入れながら、講演やディスカッションが繰り返される4日間のスケジュールが組まれていました。
事前のチェックイン時から町中が歓迎しているようなムード、配布されるお土産も徹底してプラスチック製品を使っていないもので提供されるなど細やかな配慮や、様々な関心をもとにその都度興味のあるワークショップや分科会に参加できるスタイルなど自由度が高い中、熱く学びを深め合うコミュニケーションのシーンがいたるところに見られる様子でした。

2023年は、9月11日〜14日のスケジュールで、北海道を会場としてアドベンチャートラベルワールドサミットが開催されるそうです。

第2回目・第3回目講座

第2回目・第3回目の講師の内田氏

第2回目・第3回目の講師の内田氏

第2回目、第3回目は、半日つかって、具体的に実施するにはどういうところに配慮し、どういう体制で旅をつくっていくのかを、内田亜由美講師にナビゲートいただくワークショップを開催しました。

『特別な旅』とは

『特別な旅』とは

特別な旅づくりのキーワードとしては、「演出」がありました。
旅の行程をどういう順番で組むか、行程ごとでどんな気持ちの変化が生まれるように構成するかを考えた演出が、感動を生む仕掛けとなっています。旅を高品質なものにする鍵は、優れたガイド、アテンド。ほとんどそこに価値があると内田講師は教えてくださいました。

お客様がどういったものを大事にしているかを知ること、軸の構成はしっかり計画しつつも臨機応変に対応できる振り幅をもっており、徹底的にお客様の気持ちを汲んで全力で応えるガイドチームがあるというのは大きいそうです。
アドベンチャーツーリズムで望まれる高品質・優れたガイドに求められるポイントや主要な責務の条件などについても話されました。

そして、ここでしかできない体験の必要性、どういった地域の文化や自然環境に影響を与えるか、お客さんが共感できる価値観に沿ったテーマや手段(サービス)の検討をする必要があります。
お客さんが〜したいという欲求をもつのは、どんな気持ちになりたいからか、そこにはどんな価値観をもっているからそう思うのか・・・ニーズの奥にある潜在的な要求と価値観まで理解して考えていくことが重要です。

『丹後のスペシャルな旅』を企画します

『丹後のスペシャルな旅』を企画します

実際に、ワークショップとして、「どんな気持ちになるために」「どんな資源を使って」「どんなサービスを提供するか」を考える時間があり、参加者が現時点で思いつく企画に対して、内田講師が丁寧にブラッシュアップの方法もアドバイスをしてくれました。

ワークショップでは、私たちが企画をイメージできるよう具体的なツアーにおける構成も教えていただきました。旅行者が、ツアーを相談したり申し込むにはどういう流れになっていて、どういう組織や事業者が関わって成り立っているのかという構成。
そして、旅行の行程中にかかる移動手段、体験、食事、宿泊、各体験におけるガイド、ツアー全行程を通じて、旅行者に寄り添ってガイド・アテンドする等、発生する役割(サービス)について整理したものを紹介され、自分なら、どのパートに入って動き、どのやり方でお客様とつながるのかを考えやすくしてくださいました。

実際に活躍されているガイドさんからも話をききました

実際に活躍されているガイドさんからも話をききました

講座の後半は、京都市内でアテンド・通訳のお仕事をされている村田 朱里(むらた あかり)氏とオンラインでつながり、実際のガイド事情や心構えや気をつけるべきタブー、喜んでもらえるコツなどをお話いただきました。

村田氏は会場の参加者からの率直な質問にもきさくにどんどん答えてくれて、オンラインを通して和やかな雰囲気で会場に活気が湧いていました。

村田氏との会話の中からいただいた料金設定の考え方も受け、最後に、内田講師より価格検討シートやツアーのコンテンツを整理しセールスにもっていけるワークシート、プロモーション方法などのヒントを授けていただき、充実深まるワークショップとなりました。

最後には会場から「今回の講座は明日からの仕事に役立ちます!」「来てよかったー!」と言う声が聞こえ、明るい笑顔で帰って行く参加者の姿が見られました。

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