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【よさのみらい大学講座レポート】パフォーミングアート ―舞台芸術とはー

最終更新2023年04月01日(土) 10時00分
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パフォーミングアート ―舞台芸術とはー
講師 城崎国際アートセンター 館長 田口 幹也 氏
日時 2017年11月24日(金)19:00~21:15
会場 産業創出交流センター
参加者 38名

今回の講座では講師に田口 幹也 氏をお招きし今、豊岡市で行われている様々な取り組み、そしてパフォーミングアート(舞台芸術)をテーマに地域にどんな変化が起こり、可能性が広がっているのかについて学びました。

講座の様子

講座の様子

田口氏は2011年、東北の震災の年に東京からUターン。ちょうど東北の震災をきっかけ東京では西日本に注目が集まり、東京からひと夏に40人ほどの友人知人が城崎温泉を訪れるようになったことで、自分の故郷を初めて観光ガイドすることにより大人になってやっと自らの地域の魅力に気づいたと話されました。

 

しかし残念なことに、紹介したいが情報がよくわからない、ダサいHPやパンフが多い。
そこで自らが「おせっかい」という役割を担い、東京で培ったキャリアを活かし企画や情報の整理等できることを始めます。

 

そのような流れでまちづくりに関わることになった田口氏、気になることも多かったと言います。「何か新たなことを始めることが注目されますが、訪れた人は地域のそのままを知りたい。「まちづくり≠新しい価値」グルメにしても自分たちが普段食べていないものを出す。というのには違和感がありました。」

 

そこでブランド化や企画づくりについて独自の経験に基づき実践者として活動を開始しました。「豊岡セールスマン講座」ではブランド化とは資質を活かし統一性をもたせていくを大切に、「豊岡カレンダー=日常生活の楽しみ」を情報整理、他に雑誌を活用した豊岡の価値整理などアピールポイントの確認、ターゲットの設定、クリエイティブの方向性、販売売上の目標設定、広告売上の目標設定などを行いました。


行政の事業である「豊岡市エキシビジョン」では首都圏への知名度をどうあげるかについて企画を行い東京で良く読まれているOZマガジンを巻き込んで東京でトークショーを行い、「城崎温泉=浴衣のまち=いで湯のまち」ということでその場の参加者全員に浴衣を着せるなど、どのように参加者をイベントに巻き込むかが大切だと田口氏は説明されました。


また城崎では「文学の生まれたまち」として本と温泉をテーマに現役の作家さんに城崎温泉だけでしか売らないオリジナルの小説を書いてもらい、それを水に強い紙に印刷に印刷して販売した。取り組みは話題になり、増版に繋がり、最後は元々城崎温泉のファンであった「湊かなえ」さんに繋がって次回作の作成に繋がったとのこと。

講師の田口幹也氏

講師の田口幹也氏

一方で豊岡市行政では「この町はつまらない」、「地方は閉鎖的、チャンスも出番もない」、「地方で暮らす価値とは」そのような声に答えるためにも豊岡市は「小さな世界都市」を目指していて、「人口規模は小さくても世界の人々から尊敬され尊重されるまち。グローバル化固有なものが輝く。小さな町でもコンタクトがとれる。世界に通用する「ローカル」を磨く。」を目的に動き始めます。

 

そんな中、豊岡市で新たなプロジェクトが始まりました。


1983年に建設された県立の大会議場(現、城崎国際アートセンター)の再生プロジェクトです。年間20日くらいしか稼働しない会議場が稼働には年間1800万のコストがかかっていた。このコストをどうやって担保するか。豊岡市としては阪神淡路大震災の避難所でボランティア講演を行っていた秋田県のわらび座が被災者の笑顔を作っていたことを元に、「舞台芸術」をプロジェクトのテーマにしたいと考えます。「文化芸術による地方創生」を実現する直営施設にしたい。首都圏や海外からの新しい流れや人の繋がりを生み出し、地域内外に影響力を持つこと。そして地域住民が生の芸術に触れる機会も創り出したい。

 

そこで都市圏や世界に影響力があり、かつ人とのつながりを多く持つ田口氏に白羽の矢が立ちました。首都圏や海外からの新しい流れや人の繋がりを生み出すことができ、地域内外に影響力を持っている人が必要だと考えた結果でした。

 

大会議場は城崎国際アートセンターとして名称を変え、1つのホール、6つのスタジオ、22名程度は宿泊も可能な施設へ生まれ変わりました。舞台芸術の劇団員は公募で選ばれると3日~3カ月は滞在費が無料になり滞在中、施設が使い放題になる。(交通費や生活費、制作費は自費)。かなり画期的なプロジェクトですが豊岡市は短期的な結果を求めてはいなかったそうです。

 

選ばれた劇団は滞在中に市民にむけたワークショップ等を無料で実施してもらうことが利用条件になっていて、市民の舞台芸術に触れる機会が増えました。地元の小中学校等で本格的な舞台芸術にプロから直接指導を受けることができるようにもなりました。

 

利用可能な劇団は毎年公募しているが年々増加し、2014年には23か国94団体から応募がくるようになり、その結果世界の舞台芸術家の間で噂になり、特に大きな告知などはうっていないのに口コミで広がるシステムになっていったそうです。城崎国際アートセンターは共存・共栄がテーマ。そして資産をシェアしていくという考えでなりたっています。

 


城崎は観光客にお金を使ってもらうことを目指してはいるが基本的な考え方は「シェア」。
お湯を住民、観光客でシェアする感覚が礎にある。多種多様な人が、そしてアーティストも住めるまちを目指しています。

 

受講生の様子

受講生の様子

その他に講座内では現在豊岡市で実施している取り組みの説明が続きました。
・「城崎温泉ダンス旅」パフォーミングアートツーリズム
・「城崎オープンダンスクラス」誰でも参加できるワークアウト
・「城崎温泉怪談祭」若手、学生にインターンシップで働いてもらう
・「飛んでるローカル豊岡」
・「豊岡の子供教育」ふるさと教育、保育園~中学校ALTによる英語学習

受講生同士で議論する様子

受講生同士で議論する様子

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