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【よさのみらい大学講座レポート】徳島県神山町フードハブ・プロジェクトから学ぶ  みんなでつくる「ご当地弁当」①

最終更新2023年04月01日(土) 10時00分
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徳島県神山町フードハブ・プロジェクトから学ぶ  みんなでつくる「ご当地弁当」
講師 株式会社フードハブ・プロジェクト支配人 真鍋 太一 氏
株式会社フードハブ・プロジェクト料理長 細井 恵子 氏
副店長 石田 青葉 氏
アートディレクター 石橋 剛 氏
日時・会場 第1回 2019年9月29日(日)13:00 〜 18:00 野田川わーくぱる
第2回 2019年10月20日(日)13:30~18:00 かや 山の家
第3回 2019年11月10日(日)14:00~17:00 かや 山の家
第4回 2019年11月17日(日)11:00~17:00 道の駅、かや 山の家
参加者 18名

「地産地食|FarmLocal,EatLocal」を掲げ、地域の農業を次の世代につなぐために、徳島県神山町で農業者と料理人と共に活動を始めている株式会社フードハブ・プロジェクト。昨年度のビジネス学部ではそのチームとシェフを招き、ワークショップや料理体験を通して与謝野町産食材と場所の新たな価値を発見することができました。今年度は新たな商品やサービス開発につなげられる、与謝野の自慢の詰まった「ご当地弁当づくり」をテーマに連続講座として実施しました。

【第1回】地元を「再発見」する商品開発とは

4回で構成されている今回の講座の第1回目は、講義とアイデアを出し合うワークショップでした。

4回で構成されている今回の講座の第1回目は、講義とアイデアを出し合うワークショップでした。

フードハブ・プロジェクトってどんなこと?

まずは、受講生の自己紹介を行い、その後に株式会社フードハブ・プロジェクトが取り組んでいることについて講師の真鍋氏から紹介されました。

農家が育てた農作物をJA、市場、小売を通して都会の不特定多数に届けられている現状を前に、神山町で育てたものを神山の住民がまずは食べて、神山の農業を支える仕組みが必要と感じたそうです。講師の真鍋氏は、農家や作り手とつながり、神山の中でまずは提供し、その上で、都会の人が神山を求める仕組づくりを行っています。

合い言葉は「地産地食|Farm Local, Eat Local.」育てる、つくる、食べる、つなぐということ。地域の人と連携して、「物」ではなく、「物」+「つくる」をセットで考える「ものづくり」を、みんなの手でつくりあげることを方針に取り組まれています。

講義の様子

講義の様子

「土産土法」その土地の季節にとれるものを、その土地に受け継がれている方法で料理して食べることを大切にしています。しかし、無理にガチガチにそのルールに縛られるのではなく、意識しながら地域の人と一緒に作り上げていくそうです。プロジェクトチームでは、新しい価値を見出し、地域の人にはないその地域の見え方を伝える。そして、頭で考えすぎないで、まずはやってみて、手を動かしながら考えるスピード感を大切にされています。

講義の様子

講義の様子

次に、今回のテーマでもある「お弁当」について、様々な地域で開発されてきたお弁当商品をスライドで紹介されました。昔ながらに親しまれてきた食文化を、地元の高校生と一緒に考えてアレンジし開発されたものなどもありました。自分たちだけでつくるのではなく、いかに地域を巻き込むか。地域の企業に協力を得て、コラボレーションすることも大事だと真鍋氏は言います。

講義の様子

講義の様子

そして、様々なお弁当商品の情報を共有された後に「今の話を聞いてどう思ったか」について受講生同士で3分間ほど感想共有しました。その後、今度は受講生にとっての想い出のお弁当について書き出し発表しました。おにぎりの形や、卵焼きの味、茶色いお弁当だったという中身の印象から、「恥ずかしくて隠して食べていた」、「母親とケンカした時のお弁当は・・・」など想い出のエピソードも共有されました。お弁当を介して見える人と人とのコミュニケーションの姿がそこには感じられました。

受講生同士で感想の共有をします

受講生同士で感想の共有をします

次に、講師の細井料理長の解説を聞きながら、様々な「駅弁」を例に、サイズ感や、パッケージ、中身の見せ方、味などをみんなで確認しました。

ビジネス学部「ご当地弁当」①

ビジネス学部「ご当地弁当」①

では与謝野でご当地弁当を作るなら?!?

様々な知識や情報をもとに、自分たちならどんなお弁当を作り出したいか考えました。桑の葉、イノシシ、シカ、モロコ、ハチクなどの素材や、バラ寿司、やたら、てっぽう、あほ煮、芋づる煮物、酢ズイキなど、地域で親しまれてきた料理が候補に上がってきました。

商品化チームづくり!

2チームに分かれてお弁当実現に向けて準備を始めます

2チームに分かれてお弁当実現に向けて準備を始めます

アイデアを出した後、大きく2チームに分かれ、ご当地弁当を実現するための準備が始まりました。

1.チームリーダー(声かけする人)を決める
2.お弁当として売るための食品表示法を確認する
3.どこで作るか(許可のある施設)確認する
4.かかる費用と、何食つくるか(試食用と本番販売用)考える

他にもコンセプト、ネーミング、パッケージや中身など何を考える必要があるのかをチームで相談し、考えてみることが宿題となりました。

講師の真鍋氏から「まずはやってみよう。」のメッセージ

講師の真鍋氏から「まずはやってみよう。」のメッセージ

最後に真鍋氏より「大事なのは、「まずはやってみよう。」です。いろんな人の反応をみながら、本当に売れる商品に仕上げていきましょう。」というメッセージが送られました。

【第2回】グループリサーチとアイデア発表

第2回目はかや山の家です

第2回目はかや山の家です

第2回目では前回わけた2つのグループにわかれて準備を進めていきます。

はじめに、「チェックイン」と題して受講生の今の気持ちの共有が行われました。そこでは、お弁当政策について多くの情報を得ることができている喜びや、新たなアイデアで興奮している様子、一方で本当にこの講座の期間中に実現することができるのか不安であるなど、様々な想いが共有されました。その中でも興味深い意見として「多世代の仲間で、若い人が中心で和気あいあいと話し合いを進めることができたことが嬉しかった」というコミュニティー形成が進んでいる様子がわかるものもありました。

二つのグループはAグループと、Bグループとしここからは具体的なアイデアを検討していきました。Aグループではグループ名を「がっしゃ いかめいチーム」と決めていてすでに事前協議を1回実施していました。重要視していることは、土地の物、そして地域の中でとれるものを入れる、郷土食の強いものを入れるということ。しかし、その一方で与謝野町の食材を探しているものの、材料の確保をどうするのか課題も出てきます。また、販売は11月なので時期が若干ずれることで材料や中身が問題ないかについても話し合われました。そして、コンセプトとして普段の食事にするのか、それともハレの日の食事にするのか迷う場面もありました。

Aグループのアイデア出しの様子

Aグループのアイデア出しの様子

<協議されたメニュー案>
・ごはん+やたら
・てっぽう
・ぼたもち(つぶあん)
・鹿肉のからあげ(もも肉)
・鮭/白身/キノコでホイル焼き
・たまご(野田川のたまご)
・レンコンのきんぴら
・生酢サラダ
・たきあわせ(里芋、冬瓜、ニンジンの上にあんかけ)
この他にも、弁当容器や弁当を包む材料も決定しました。

販売価格:1500円~1800円
原価が610円(調味料・はしとおしぼりは含まず)原価総額は740円相当

そして、Bグループの方でもグループ名を 「やたら いかめいチーム」と決定していました。また、弁当のネーミングも決まっていて「かわやぁげぇな弁当・ほんまきゃぁ!」という郷土色豊かな表現が使われていました。弁当の容器の検討では「まゆの形」にこだわりますがなかなか良いものがありません。弁当のメニューを検討していく上で、適正な容器に変更されていきました。

Bグループのアイデア出しの様子

Bグループのアイデア出しの様子

<協議されたメニュー案>
・てっぽう
・やたら
・季節のおにぎり(かきまめ:黒インゲン)
もしくはばくだんおにぎり(ゴマの入った美味しい炊き込みご飯)
5つのおかず
・豆腐コロッケ/里芋コロッケ
・白和え(おあえさん)
・辛子漬け、こうじを使った漬物
・芋づる、ずいき、しいたけの似た物
・季節のデザート(ぶどう、くり、ブルーベリー、苺

メニュー検討では、昔から温江の谷垣の組で作られていた、地蔵盆の時に提供する炊き込みご飯のおにぎりなど地域らしさが味わえるアイデアが出されます。

講義中盤では「ここからの作り方」としてマーケティングの4Pと+C(コミュニティー)、マーケットイン・プロダクトアウトの考え方が重要だと説明されました。

お弁当事例の紹介

お弁当事例の紹介

〇マーケットイン:市場を見て誰が買ってくれるのか?お客さんの方から考える→どこで、誰に売るか
〇プロダクトアウト:自社独自の技術、自社独自の売り方を獲得して売り出す、自分たちの作りたいもの→何をいくらで売るか
※瀬戸内巻きの事例:地元にある江波巻、外から見て考えると瀬戸内の美味しいものを食べることができる。江波巻→瀬戸内巻に進化〇コミュニティー:それを誰とつくるか

⑴内から考える、自分の地域から考える
⑵外から考える、伝統食を積み上げる

休憩中には講師が東京の村から町からで購入した全国のお菓子を紹介しながらパッケージの違いについて学びます。

休憩中には講師が東京の村から町からで購入した全国のお菓子を紹介しながらパッケージの違いについて学びます。

講座後半では全体のイメージやポイントなどがさらに整理されていきました。

=グループA= 「鬼も喜ぶ宝箱弁当」
値段設定は変えずに、入れ物も高級にする、品の良いものにする。お品書きも書く

=グループB= 「かわやぁげぇな弁当・ほんまきゃぁ!」
丸が3つ並ぶ見せ方(白米、やたら、ばくだん)にする。
緑のものをどのように入れるかを考える。
竹皮の弁当に包む、竹皮を包んだあとに与謝蕪村の猫の絵を活用し可愛らしさを強調。

最後に講師からの感想として、価格設定や弁当のポイントを明確にするコツ、ターゲットの考え方、提供シーンの多様化、弁当にあったパッケージとその重要性について各チームにむけた詳細なアドバイスがありました。次回は試作を披露し最終的に磨き上げていく会になるということで受講生の盛り上がりも更に高まっている様子がうかがえました。

どんなお弁当ができるのでしょうか

どんなお弁当ができるのでしょうか

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