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【よさのみらい大学講座レポート】耳から離れない癒しの音色… 次世代楽器ハンドパンが生み出す、新たな地域の可能性

最終更新2023年04月01日(土) 10時00分
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耳から離れない癒しの音色… 次世代楽器ハンドパンが生み出す、新たな地域の可能性
講師 ハンドパン奏者 久保田 リョウヘイ 氏(新潟県三条市地域おこし協力隊)
日時 2018年12月20日(木)19:00~21:00
会場 野田川ユースセンター 音楽ホール
参加者 48名
癒しの音色、ハンドパン

癒しの音色、ハンドパン

2001年にスイスで発明された新しい楽器「ハンドパン」。カリブのスティールパン(スティールドラム)を想わせる心地よい響きを放つ打楽器です。12月20日、このハンドパン奏者である久保田リョウヘイさんを講師招聘し、ハンドパンを活用した地域おこし協力隊としての活動についての講演と共に、繊細かつ大胆な手さばきによるハンドパン演奏で、音楽ホールいっぱいに不思議な音色と温かな時間を届けてくれました。

受講生は、ライブでハンドパンの調べを体感し、ライブの曲の合間に講師より演奏曲による音の高さが変わるハンドパンを叩き方や響かせ方、楽器の構造などの丁寧な説明により、ハンドパンという未知なる楽器との遭遇に、興奮されていました。

演奏の後には、久保田さんと久保田さんの音楽活動を支える音楽レーベル会社Grand Pacific Workの曽根 幹さんが登壇され、ハンドパンを活用しての「地域おこし」について司会進行役とともに鼎談されました。

鼎談では、久保田さんがハンドパンに出会った高校2年生の時まで話が遡り、初めて目にしたのがYoutubeでプールに浮かべて叩いている様子の動画とのことでした。「なんだこれは?」という不思議なものを目にした衝撃から、ヨーロッパの路上でメロディックに演奏されている動画までを掘り起こしていくことで、一気にハートを捕まれたことで、演奏したいという欲求が膨らんだといいます。いろいろな場所を探し、ようやくインターネットによる販売店を見つけることができたが、それはレプリカのハンドパンで、それでも価格は21万円と高校生にしては高額な買い物ではあったが、「やりたい!」という気持ちのほうが強かったため、自分の手持ちのお金と親にお願いをして、なんとかハンドパンを手にいれ「叩きたい!」という気持ちを叶えたといいます。

久保田さんは、ハンドパンを生んだヨーロッパがどんな国であるか、実体験として知るために、2017年の9月から3ヶ月間、初めての海外旅行をされたそうです。ドイツのマーケットでの音楽交流やパリのオープンキッチンレストランでの演奏、ルーブル美術館の奥の石造の通路での演奏など、ヨーロッパの様々な場所で演奏し、その対価として幾らかの日銭を稼ぎ、何も知らない土地でグーグルマップを頼りにひたすら歩き、ハンドパン工房に行くなど、自身のスキルを基に全身全霊で、その土地と人との出会いを楽しんだといいます。

講師の地域での取り組みを紹介してもらいました

講師の地域での取り組みを紹介してもらいました

現在、新潟県三条市地域おこし協力隊としても活動している久保田さん。ワークショプやライブを通じて、ハンドパンが欲しいという購入要望も多く聞くようになったといいます。ただ、ハンドパンをつくれる職人数、その職人が月間作れる数が約3台と、世界中の職人が約100人にいたとしても、需要が全然おいつかない現状があり、久保田さん所属の音楽レーベル会社代表の曽根さんと一緒に、ハンドパンという楽器も広めたいという思いから、ハンドパンを作ってくれるところを求めていました。

そんな中、知り合いの紹介から金属加工で有名な新潟県三条市の燕三条を訪れ、包丁づくりで人気の高い金属加工工場にアポなし飛び込みで、曽根さんと久保田さんが訪問し、ハンドパンライブで社長や集まった50名ほどの社員に聴かせたことで、訪問した経緯に耳を傾けてくれるようになったそうです。そして、その場で「うちならつくれるよ」と言われたことで、三条市とハンドパンの出会いが始まったといいます。

曽根さんは、いい曲を作って、ヒット曲を作って、CDを売るだけでなく、もう一段、もう一歩先にある「人のコミュニケーションに役立つ、助けになる活動がしたい」という思いから、「地域がアーティストを抱え、そのアーティストが奏でる楽器を、世界に発信しませんか」と三条市に提案し、「じゃあ、取り組みましょう」と三条市長が潔く受け入れてくれたことが話が動き出した大きな要因であったといいます。

ハンドパンつくりによる新たな産業づくりと、その地域で作られた楽器を演奏するアーティストが地域にも住むという考えによって、新たな活気が生まれ始めているといいます。地域おこし協力隊着任後の久保田さんは、田植えをする横でのライブや老人ホームへの訪問演奏会、保育園、幼稚園、学校、公民館でのライブなどがあり、地域の方たちと交流を重ねながらハンドパンの魅力を広げています。なかでも「絶景ハンドパン」として、その場に行って、その場のインスピレーションで演奏された曲の動画をアップロードするという活動が、ハンドパンを通して「土地(新潟)の魅力」を多くの方に届けることに繋がっています。

鼎談の最後に、曽根さんは、ヨーロッパでは子どもの頃から演奏できなくても、本物の楽器に触れさせる文化があるが、日本では多くの場合が子どもの頃はプラスチック製の楽器であり、感覚的に大人になってから「やりたい」という気持ちに繋がっていないのではないか。もっと気軽に大人になっても音楽に親しむことができるように、まずは楽器を広めたい。沖縄ではどの家庭にも三線や歌があり、ハワイにはウクレレがあるように、日本でも47都道府県どこの家庭にも大人になっても続けられる、生活の中に音楽がある文化に日本もなっていったらと、その馳せる思いを目標として語られました。

久保田さんは、いまやっている活動を継続することで、三条産ハンドパンを広めるとともに三条市のPRとハンドパンの普及、そして世界的なハンドパン奏者になっていきたいと自身の活動を熱い思いを目標として語られました。

ハンドパンに触れる体験もしました

ハンドパンに触れる体験もしました

講座後には、全受講生が実際にハンドパンを順番に叩かせてもらいました。なかなか久保田さんのように指をはじき、音を響かせるのは難しいのですが、貴重なたのしい体験に笑顔あふれる会場となりました。

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