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【よさのみらい大学講座レポート】空き家リノベーションー魅せる改修ー

最終更新2023年04月01日(土) 10時00分
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空き家リノベーションー魅せる改修ー
講師 スタジオSU 主宰 白須 寛規 氏
日時 第1回:12月9日(日)10:00~16:00
第2回:1月20日(土)10:00~16:00
第3回:3月4日(土)10:00~16:00
会場 香河地区 空き家
参加者 12名(2回目、3回目は各8名)

この連続3回講座では空き家のリノベーションに関する事例から改修作業の実践、そしてリフォームした空間の利活用の方法まで一貫して学びました。

第1回目の講座ではまず講師の白須氏より様々な空き家、空きビル改修の事例紹介がありました。

空き家での講座の様子

空き家での講座の様子

白須氏の事務所である大阪市上町荘は古い大型事務所を借り上げ、自分たちで少しずつリフォームを行い現在はシェアオフィスとして活用。借り上げ当初は100坪ある事務所のうち1坪しか使用していない状況でした。そこでテナントを募集しながら空いている空間をどうやって使うかを試しながらリフォームを進めていきます。結果、現在は13社のシェアオフィスとして様々な業種の人が集まる空間へと進化。シェアオフィスとして入居する際の条件のひとつは自分たちで建物を維持管理すること。みんなで力を合わせて自分たちの働く空間を維持している。「働く場所は閉じない。そうやって様々な人が一緒に活動することで産業が違っても協力できることや、コラボできる仕事が生まれることもある」と白須氏は語りました。

 

リノベーションとは、活用しやすくしたり、おしゃれにしたり、きれいにすることであり、その結果建物の価値を上げていきます。


不動産価値:建物自体の価値を上げる、耐震性、耐久性
利用価値:使うことができること
古い物であっても、自分の目で良いと思って欲しい。
価値がないと思われるものでも価値を創り出すことはできると説明しました。
その他、建物の耐震の簡単な考え方等専門的な話も続きました。

 

他に、リノベーションの観点から取り組んだまちづくりの事例が紹介されました。
泉北ニュータウンの「ほっとけないネットワーク」をテーマにした集合住宅をリノベーションするプロジェクトを紹介。二人で泊まれる(複数で泊まれる)空間をつくったり、高齢者が元気になれる場所、若者が楽しめる場所など単なる施設っぽくならないような手法を学びました。建物や地域を更新し続けて昔のニュータウンを次世代に繋いでいく。

 

次に、参加者と今回なぜこの講座に参加したのか?この講座に期待することについて車座になって共有会を行いました。

ストーブを囲んで受講者がこの講座で学びたいことを共有

ストーブを囲んで受講者がこの講座で学びたいことを共有

その後、講師より価値についての考え方の説明がありました。
過去1000年:人が増えるためのシステムでできている社会。
現在:1000年ぶりに人が減った。人が増加する社会システムは破綻している。
人が増えると線引きが必要である、しかし人が減っていく今は線を引いた場所を開放していく考え方。共有、シェアする価値観に変わっていく。

 

次に、今回使用する香河地区の空き家がある集落の紹介が行われました。

 

約50世帯で居住者は100名程。学校に通っている子供が0人。雪深い地域で昔はかんじきを履いて学校に行っていた。上宮津につながる道が通っており秘境としてのイメージがある。地域内外の人にぜひ地域の魅力に目を向けて欲しい。

 

次に空き家所有者の河辺さんから建物についての説明がありました。

 

築は約150年程度。昔、酒屋小売業を営み、食料品、日用雑貨などを地元の人に販売していた。白黒TVや薪ストーブがあり土間にはおくどさんがあった。

 

ここから実際に2回目に行うリノベーションの実践のための床はがし、壁紙はがしを行います。床をはがし田の字づくりの古民家の基礎部分を目の当たりにした参加者は驚きながら実際に建物を支える構造や揺れに対する構造、昔の人の知恵や技術を学んでいました。

空き家の床をはがす様子

空き家の床をはがす様子

壁紙の貼り直しの様子

壁紙の貼り直しの様子

空き家のリノベーションをしていく様子

空き家のリノベーションをしていく様子

第2回目講座では今回の空き家のリノベーションイメージを白須氏より説明をうけて改修の実践に入っていきました。

リノベーションイメージを説明する講師

リノベーションイメージを説明する講師

サポーターとして、大工の細見氏と左官の岩本氏も合流し終日作業の開始です。

 

前回はがした床には新たな杉板が用意され、杉板の面取り、カットから行いました。始めて使用する電動のこぎりやカンナに参加者も緊張しながら作業を進めます。

電動のこぎりを使用する参加者

電動のこぎりを使用する参加者

また、壁については漆喰を塗っていきました。漆喰の塗り方を左官職人の岩本氏より丁寧に指導を受けながら全員で協力しながら完成させていきます。

漆喰を塗る様子

漆喰を塗る様子

床用の杉板が整備されたところでインパクトの使い方を学び、設置していきました。インパクトもなれると打ち付ける速さも上がり、まるで職人のような仕事さばきに変貌していきました。参加者は終始作業を楽しんでいる様子。また、目の前で出来上がっていく様子に歓喜の声が高まります。床をきれいにはれたところで、全員で布切れを使い着色していきました。

インパクトを打ち付ける様子

インパクトを打ち付ける様子

床を改修する様子

床を改修する様子

作業終了後は3回目の空間活用についての意見を出し合いました。今回、改修を見守って下さった空き家の集落のおじいさん、おばあさん達におひろめ、ふるまいをするというアイデアが選ばれ、ふるまいといえばお餅つきやぜんざい、甘酒などが良いのではないか?という意見が出されました。

 

第3回目の最終講座では午前中に主に会場のしつらえ、空間利用、空間演出を実技で学び、14時からは空き家集落の皆さんに向けたお披露目・ふるまい会を実施しました。


最初に白須氏より本日の空間利用に関する説明がありました。室内と室外(庭先)にちりめんを使い同じ空間に感じさせる仕立てを行います。そして庭先では来場者へのふるまいのオペレーションを考えたテーブルや椅子などの配置を検討します。

講師の白須氏による空間利用に関する説明

講師の白須氏による空間利用に関する説明

早速作業に入りしっかりと壁も床も綺麗に乾燥した空き家をまずは清掃。室内には一枚板とビールケースで長い1本のテーブルを製作、休憩にあがってもらえるように準備。そして庭先には建設現場などで使用される「パレット」を好きな高さに積み上げテーブルや椅子を作り出していきました。建設資材など安くて軽い材料を組み合わせて使用するアイデア等を学びました。

リノベーション後のお披露目会の準備の様子

リノベーション後のお披露目会の準備の様子

ふるまい会のためのお餅つきの準備

ふるまい会のためのお餅つきの準備

ふるまい会の準備された入口の様子

ふるまい会の準備された入口の様子

14時にはふるまいスタート、空き家集落の住民の皆さんが来場され一緒に餅つきや、つきたてお餅のぜんざい、野菜と鶏のスープ、珈琲、お茶のふるまいを実施しました。来場者からは「空き家の改修が気になっていた、きれいになった」「地元でこんなふるまいをしてもらえて嬉しい、みんなで集まれて楽しい」等喜びの声を頂きました。そして講座最後には参加者と感想共有を行いました。

お餅つきの様子

お餅つきの様子

空き家の近隣の皆さんとの交流会

空き家の近隣の皆さんとの交流会

最後に講師の白須氏より全3回の振り返りが行われました。実践しながら考えていくことも大切で、大きい家をいきなり改修するのではなく、まずはできるところをやってみて使いながら更に必要な部分を改修していく方法もある。最初から決める方法とやりながら作っていく方法の違いを今回学んでもらうことができた。今回の最大の成果は出来上がった玄関の土間の空間に地元の人たちが思い思いに腰掛け、集まって楽しい時間を過ごすことができたこと。本来の空き家の土間部分の使われ方を再現できた。この地域には古いものが沢山残っている。その「古い物」がどのように使われていたかを知り、そして今の手法で更に使いやすい空間に更新させていくという方法を自分たちのできる範囲で挑戦して欲しいと話されました。

講座の振り返りの様子

講座の振り返りの様子

最後に皆さんと記念撮影です

最後に皆さんと記念撮影です

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