
紋章

キングアーサーラビリンス
■自然
ウェールズの大自然は野生美に溢れ、神聖なくらいダイナミック。北には険しい山塊を中心とするスノードニア国立公園、そして南に牧歌的なブレコン・ビーコンズ国立公園という山岳地方を持つ一方、ペンブロックシャー・コースト国立公園など変化に富んだ海岸線にも恵まれています。
川が枯れることがないウェールズの大地は、生き生きとした緑にあふれています。ウェールズに湧き出る水(スパ・ウォーター)の清らかさは比類がないほど。その昔、ケルトの人々は世界をつなぐ水には魂が宿っていると信じていたといいます。水の神「ドラゴン」はウェールズの守り神であり、遥か悠久の昔からの水の流れは今でも変わらずに大地を潤しています。
■気候
面積は20,270平方kmで四国よりも少し大きいぐらい。近くを流れる暖流の影響で気候は一年を通して比較的温暖。春になると国花であるラッパ水仙(Daffodil)が一斉に咲き、あたり一面黄色の花に覆われます。
■歴史
ウェールズの歴史は古い。ウェールズ人の先祖ケルト人は、遥か紀元前5世紀頃に鉄器文化を伴ってブリテン島に渡ってきた。ケルト人は自然を信仰の対象とし、音楽・詩に代表される芸術をこよなく愛したといいます。今にその伝統は引き継がれ、ケルティック楽器のハーブの愉快な演奏はウェールズならではのものです。
その後、古代ローマ帝国がヨーロッパに侵攻しブリテン島にやってきました(西暦43年)。5世紀半頃からアングロ・サクソン人によるローマン・ブリテン島攻略が始まり、あの伝説のアーサー王が活躍しました。瀕死のアーサー王が「いつの日か、必ず戻ってくる」いう言葉を残して湖に消えていったという言い伝えをウェールズの人々は信じています。
7世紀に入ると、ほぼ現在のウェールズにケルト人は追いやられ、独自の文化が芽生えたといいます。そして11世紀のノルマン人の侵略の後、1282年にウェールズ最後の王子スウェリン・アップ・グリフィスが戦死し、時のイングランド王エドワード1世によって、イングランドに併合されることになりました。1485年にウェールズ人のヘンリー・チューダー伯爵がイングランドの王位に就くと、一層イングランドと法律的・経済的に一体化が進んでいきました。1536年には統合され、英語が公用語となり、教育も英語で行われましたが、ウェールズ語は人々の中で語られ続けたのです。16世紀になるとウェールズ語の聖書、文法書、辞書が編纂され、1913年にはジョン・モリスによってウェールズ語の浄化が提唱されたことによってひとつの言語が守られたのです。
そして、1967年にはウェールズ語の教育が再開され、公用語にもなりました。現在では人口約300万人の20パーセントがウェールズ語(ケルト語の中のゴール語)を話すといいます。まさに不屈の精神がウェールズの文化と言語を守ったといえるのです。ケルト文化の復興と発展は現在も続けられており、各地で伝統の技や古代文化の足跡に出会えることでしょう。
■言語
ウェールズ語の語源は、ヨーロッパで最も古いとされている言葉の一つであるケルト語(ゲ-ル語)。ウェールズ語でWalesのことをCymruカムリと言い、「同胞の人々の住む国」といった意味がある。「Croesoi i Gymuru(クロイソ・イ・ガムリ=ようこそ、ウェールズへ)」というサインをあちこちに掲げられ、旅人を温かく迎えてくれます。また、標識などはすべて公用語である英語とウェールズ語の二通りで示されています。
■ウェールズ語のあいさつ
・おはようございます→『ボレ・ダ』
・こんにちは→『ディーズ・ダ』
・おやすみなさい→『ノス・ダ』
・ごきげんいかがですか→『スットゥ・マイ』
・さよなら→『ホイル』