最終更新2024年01月19日(金) 10時00分
町内初の重文指定(建造物)
令和5年11月24日に文化審議会の答申を受けた旧尾藤家住宅は、令和6年1月19日に官報に告示され、同日付けで国の重要文化財に指定されました。
主屋 外観 南東より
主屋 ダイドコよりイマ、オクザシキをみる
新座敷棟 応接室 北東より
名称 | 旧尾藤家住宅 |
---|---|
所在 | 京都府与謝郡与謝野町字加悦1085番地 |
所有 | 与謝野町 |
指定基準 | (五)流派的又は地方的特色において顕著なもの |
指定物件 | 建物8棟 ・主屋 慶応元年(1865) ・奥座敷 江戸末期 大正末期増築 ・内蔵 慶応元年(1865) ・新座敷 昭和5年(1930) ・雑蔵 文化13年(1816) 文久3年(1863)移築 ・新蔵 明治後期 ・奥蔵 明治21年(1888) ・米蔵 明治後期 附・供部屋及び味噌部屋 1棟 ・棟札 1枚 ・家相図 7枚 ・普請関係書類 5冊 ・図面 8枚 |
解説
旧尾藤家住宅は、与謝野町加悦伝統的建造物群保存地区(通称:ちりめん街道)の中ほどに位置する。丹後ちりめんで栄えた当地域を代表する縮緬繊維問屋で、地区内でも最大級の敷地を持つ。前庭付きの主屋が街道に東面して建ち、背後の中庭周囲に奥座敷、新座敷、奥蔵などを整える独特の屋敷構えを呈する。
主屋、奥座敷、内蔵、雑蔵は、幕末に造営、整備された。主屋は、現在の兵庫県豊岡市日高町に所在した建物を移築した地区内最古級の遺構で、但馬と丹後の民家の特徴を巧妙に取り入れる。雑蔵は、現在の福知山市雲原に建てられていた土蔵を移築したものである。その後も明治から昭和期にかけて奥蔵や新蔵、新座敷が建設、整備されるなど、家勢の隆盛に伴い増改築を重ねて現在の姿をみせている。
新築や増改築など建築の変遷が明らかで、洋風の応接間や煎茶趣味の新座敷など、近代化に伴う新しい趣を取り入れて形成された屋敷は、近世末期から近代にかけて繁栄した加悦地区の時代の変容を写す遺構として重要である。