保存地区の特徴
加悦の町は、古来より丹後と畿内を結ぶ交通の要衝でした。織田信長の有力武将で丹後平定を行った細川藤孝の重臣・有吉立言は天正8年(1580)に安良(やすら)城を拠点として、現在の街道域に城下町が整えられました。安良城は立言の死によりわずか3年で城解きとなり、加悦は城下町としての役割を終えましたが、その地割がちりめん街道の礎となっています。
保存地区を特徴づけるものとして、製織町の特徴を色濃く残す町並みが挙げられます。建造物の主屋は中市で見られるような軒高のそろった連続する切妻造二階建平入りのものと、前庭を持つ規模の大きなものとに分けられます。後者には土蔵や縮緬工場などが付属する場合が多くなっています。
保存地区基礎データ
名称 |
与謝野町加悦重要伝統的建造物群保存地区 |
種別 |
製織町 |
所在地 |
京都府与謝郡与謝野町字加悦、字後野の各一部 |
面積 |
約12.0ヘクタール |
条例制定日 |
平成16年12月27日 |
地区制定日 |
平成17年8月1日 |
保存計画決定日 |
平成17年6月13日 |
選定日 |
平成17年12月27日 |
選定基準 |
(二)伝統的建造物群及び地割がよく旧態を保持しているもの |
※重要伝統的建造物群保存地区選定基準
伝統的建造物群保存地区を形成している区域のうち次の各号の一つに該当するもの
(一)伝統的建造物群が全体として意匠的に優秀なもの
(二)伝統的建造物群及び地割がよく旧態を保持しているもの
(三)伝統的建造物群及びその周囲の環境が地域的特色を顕著に示しているもの
街道内には宝巌寺、天満神社、吉祥寺の寺社が立地しており、寺町の景観をも生み出しています。
洋風建築も特徴の一つです。伊藤医院、旧加悦町役場庁舎のほか、旧尾藤家住宅にも洋館建築があり、またかつては旧宮津銀行加悦支店もありました。さらに、江戸時代中期からは神輿が練り歩き、山屋台や芸屋台などが巡行する加悦谷祭が行われました。
かつての地域社会の中にあって常に中心的な商業地として、丹後ちりめんに代表される絹織物の生産地としての役割を担ってきた加悦伝統的建造物群保存地区。その役割は時代の流れとともに変化し今日は静かな住宅地となっていますが、平入り切妻造りの町家が主流を占める中に前庭や門をもつ屋敷型住居のほか近代洋風建築やちりめん工場が点在し、多様な建造物を含む点で貴重な町並みであるとして、平成17年12月に国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されました。
住民の皆様へ
保存地区内における建造物の新築、外観の変更を行う場合には、許可を受ける必要があります。なお、建造物の修理または修景を行う場合に、費用の一部を補助する制度があります。詳しくは以下の補助要項をダウンロードしてください。
与謝野町伝統的建造物群保存地区補助金交付要綱 (156.3KB)
もっと詳しく知りたい皆様へ
以下の地区保存計画をダウンロードしてください。
与謝野町加悦伝統的建造物群保存地区保存計画 (277KB)