ジフテリア破傷風混合予防接種は、乳幼児期に接種した三種混合(1期初回3回と追加1回)予防接種の2期として、11~12歳で1回接種します。これにより免疫効果を上げ、ジフテリア・破傷風を予防します。
ジフテリア(Diphtheria)ってどんな病気?
ジフテリア菌の飛沫感染で起こります。
1981年に現在使われているジフテリア・百日せき・破傷風(DPT)ワクチンが導入され、現在では患者発生数は年間0~1名程度です。しかし、ジフテリアは感染しても10%程度の人に症状が出るだけで、残りの人は症状がでない保菌者となり、その人を通じて感染することもあります。
感染は主にのどですが、鼻にも感染します。症状は高熱、のどの痛み、犬吠様のせき、嘔吐(おうと)などで、偽膜と呼ばれる膜ができて窒息死することもあります。発病2~3週間後には菌の出す毒素によって心筋障害や神経麻痺を起こすことがあるため注意が必要です。
破傷風(Tetanus)ってどんな病気?
破傷風菌はヒトからヒトへ感染するのではなく、土の中にいる菌が傷口からヒトの体内に入ることによって感染します。菌が体の中で増えると、菌の出す毒素のために、口が開かなくなったり、けいれんを起こしたり、死亡することもあります。患者の半数は本人や周りの人では気がつかない程度の軽い刺し傷が原因です。土中に菌がいるため、感染する機会は常にあります。また、お母さんが抵抗力(免疫)をもっていれば出産時に新生児が破傷風にかかるのを防ぐことができます。
副反応
「健康状況調査報告」によると、注射部位の発赤・腫脹(はれ)・硬結(しこり)などの局所反応が主で、7日目までに約28.4%認められます。なお、硬結(しこり)は少しずつ小さくなりますが、数ヵ月残ることがあります。特に過敏な子で肘をこえて上腕全体がはれた例が少数あります。
通常高熱は出ませんが、接種後24時間以内に37.5℃以上になった子が約0.1%あります。重い副反応はなくても、機嫌が悪くなったり、はれが目立つときなどは医師に相談してください。
予防接種による健康被害救済制度について
・定期の予防接種によって引き起こされた副反応により、医療機関での治療が必要になったり、生活に支障が出るような障害を残すなどの健康被害が生じた場合には、予防接種法に基づく補償を受けることができます。
・健康被害の程度に応じて、医療費、医療手当、障害児養育年金、障害年金、死亡一時金、葬祭料の区分があり、法律で定められた金額が支給されます。死亡一時金、葬祭料以外については、治療が終了又は障害が治癒する期間まで支給されます。
・ただし、その健康被害が予防接種によって引き起こされたものか、別の要因(予防接種をする前あるいは後に紛れ込んだ感染症あるいは別の原因等)によるものなのかの因果関係を、予防接種・感染症医療・法律等、各分野の専門家からなる国の審査会にて審議し、予防接種によるものと認定された場合に補償を受けることができます。
・ジフテリア破傷風混合予防接種については、小学6年生(13歳未満)を対象に実施しています。13歳を超えて接種した場合は、予防接種法に基づかない接種(任意接種)として取り扱われます。その接種で健康被害を受けた場合は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づく救済を受けることになりますが、予防接種法に比べて救済の額が概ね2分の1(医療費・医療手当・葬祭料については同程度)となっています。
※給付申請の必要性が生じた場合には、診察した医師、与謝野町役場保健課にご相談ください。