○与謝野町長等政治倫理条例

令和4年6月21日

条例第18号

(目的)

第1条 この条例は、町政が町民の厳粛な信託の上に成立するという民主主義の原理に基づき、その担い手である町長、副町長及び教育長(以下「町長等」という。)が、自己の地位による影響力を行使して、自己の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、町政に対する町民の信頼に応えるとともに、もって開かれた民主的な町政に寄与することを目的とする。

(町長等の責務)

第2条 町長等は、町政に携わる権限と責務を深く自覚し、地方自治の本旨に従って、高い倫理性のもとにその使命の達成に努めなければならない。

2 町長等は、政治倫理に反する事実があるとの疑惑を持たれたときは、自ら潔い態度をもって疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明らかにしなければならない。

(町民の責務)

第3条 町民は、主権者として自らも町政を担い、公共の利益を実現する責任を負うことの自覚を持ち、町長等に対して、その地位又は権限による影響力を不正に行使させるような働きかけを行ってはならない。

(政治倫理基準の遵守)

第4条 町長等は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。

(1) 町民全体の奉仕者として、その品位と名誉を損なう行為を慎み、公務の執行に関し不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。

(2) その地位を利用していかなる金品も授受しないこと。

(3) 本町(本町の出資法人(本町が資本金その他これに準ずるものを出資している法人をいう。)を含む。)が行う許可若しくは認可、請負契約その他の契約又は指定管理者の指定に関して、特定の企業、個人、団体等のために不当に有利若しくは不利な取り計らいをせず、又は不当に有利若しくは不利な取り計らいをするよう本町の議員並びに機関及び職員等に働きかけないこと。

(4) 本町の職員等の公正な職務執行を妨げるような働きかけをしないこと。

(5) 町職員(地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条に規定する一般職の職員をいう。)の採用に関し、推薦又は紹介をしないこと。

(6) 特定の個別利益の見返りとしての寄附又はそれを期待する寄附を受けないこと。

(請負契約等に関する遵守事項)

第5条 町長等が役員をし、若しくは実質的に経営に加わっている企業又は町長等、町長等の配偶者若しくは町長等の2親等内の親族が経営する企業は、本町が行う請負契約、業務委託契約及び物品売買契約(以下「請負契約等」という。)を辞退しなければならない。

2 前項の規定に該当することとなる場合において、町長等は、責任をもって関係者又は関係企業から辞退届を提出させなければならない。

3 町長は、前項の規定による辞退届の提出状況を速やかに公表するものとする。

(政治倫理審査会の設置)

第6条 町長等の政治倫理に関する必要な事項を調査審議するため、与謝野町長等政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。

(審査会の組織)

第7条 審査会の委員は5人以内とし、政治倫理に関し公正な判断力と識見を有する者のうちから、町長が委嘱する。

2 審査会に会長及び副会長各1人を置き、それぞれ委員の中から互選する。

3 会長は、審査会を代表し、会務を総理する。

4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

5 審査会の委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(審査会の所掌事務)

第8条 審査会は、次に掲げる職務を行う。

(1) 第12条第1項の規定に基づく調査請求があった事案について調査及び審査(以下「審査」という。)をし、並びに町長に報告すること。

(2) 前号に定めるもののほか、政治倫理の確立を図るため必要とされる事案について審査又は建議をすること。

2 審査会は、審査のため必要があると認めるときは、町長等その他関係人に対し事情聴取を行い、又は資料の提出を求めることができる。

(審査会の会議)

第9条 審査会の会議(以下「会議」という。)は、会長が招集し、会長が議長となる。

2 会議は、委員の半数以上が出席しなければ、開くことができない。

3 会議の議事は、出席委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

4 審査会は、必要があると認めるときは、会議に委員以外の者の出席を求め、その説明又は意見を聴くことができる。

5 会議は、公開とする。ただし、特に必要があると認められるときは、出席委員の3分の2以上の者の同意を得て、非公開とすることができる。

(委員の除斥)

第10条 審査会の委員は、自己、配偶者若しくは3親等内の親族(以下この条において「自己等」という。)の一身上に関する事件又は自己等の従事する業務に直接の利害関係がある事件については、その審査に加わることができない。

(守秘義務)

第11条 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(町民の調査請求権)

第12条 町民は、次に掲げる事由があるときは、これを証する資料を添えて、地方自治法(昭和22年法律第67号)第18条に定める選挙権を有する町民の総数の100分の1以上の者の連署をもって、町長に調査を請求することができる。

(1) 第4条に規定する政治倫理基準に反する疑いがあるとき。

(3) 第5条第1項に規定する請負契約等に関する遵守事項に違反する疑いがあるとき。

2 町長は、前項の規定により調査の請求を受けたときは、当該請求に係る調査請求書及び添付資料の写しを審査会に速やかに提出し、その審査を求めなければならない。

(報告書の提出等)

第13条 審査会は、前条第2項の規定により審査を求められたときは、当該調査請求の適否及び当該事案の存否の審査を行い、当該請求を受けた日から起算して90日以内に、その審査結果に関する報告書を町長に提出しなければならない。ただし、やむを得ない理由により期間内に提出できない場合にあっては、その期間を延長することができる。

2 町長は、前項の報告書の提出を受けた日の翌日から起算して7日以内にその写しを前条第1項の規定による調査の請求者に送付するとともに、その要旨を公表しなければならない。

(町長等の協力義務)

第14条 町長等は、審査会の要請に基づき、会議に出席して、審査に必要な資料提供及び説明を行わなければならない。

(虚偽報告等の公表)

第15条 審査会は、審査に係り町長等が虚偽の報告をし、又は審査に協力しなかったときは、その旨を公表することができる。

(職務関連犯罪容疑による逮捕後及び起訴後の説明会)

第16条 町長が刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4までの各条及び第198条に定める贈収賄罪その他職務に関連する犯罪(以下「職務関連犯罪」という。)の容疑により逮捕され、又は起訴された後、引き続きその職にとどまろうとするときは、町民に対する説明会を開催し、その理由を町民に説明しなければならない。

2 副町長又は教育長が職務関連犯罪による容疑で逮捕され、又は起訴された後、引き続きその職にとどまろうとするときは、町長に説明会の開催を求めるとともに、その説明会に出席して、その理由を町民に説明しなければならない。

(職務関連犯罪による第一審有罪判決後の説明会)

第17条 前条の規定は、町長等が同条の罪による第一審有罪判決の宣告を受け、なお引き続きその職にとどまろうとする場合について準用する。

(職務関連犯罪による有罪確定後の措置)

第18条 町長等は、前条の有罪判決の宣告を受け、その刑が確定したときは、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項の規定により失職する場合を除き、町民全体の代表者としての品位と名誉を守り、町政に対する町民の信頼を回復するため、必要な措置を講じるものとする。

(委任)

第19条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

与謝野町長等政治倫理条例

令和4年6月21日 条例第18号

(令和4年6月21日施行)