2020.4.1 町民の皆様へ

新型コロナウイルス感染症の罹患者が増加の一途をたどっています。京都府内においても、現時点で６９名の方々の罹患が確認され、京都市内に位置する大学において集団感染の様子が明らかになりました。

日々変化する状況下において、町民の皆様におかれましては、それぞれのご家庭や職場などで言葉にできないほどの努力や我慢を重ねておられると思います。また、こまめな手洗いやイベントの自粛など、感染防止のための対策を講じていただいており、心から感謝申し上げます。私たち町役場職員も同じ思いを持ち対策に当たっております。

有線テレビを通じ、新型コロナウイルス感染症に関して、あらためてお願いしたいことや共有したいことがありますので、最後までお聞きいただきたいと思います。

現時点で、与謝野町在住者で新型コロナウイルスの感染者は確認されておりません。感染者が確認された場合には京都府から連絡が入ることとなっており、速やかに対応いたします。仮に、町内で複数の感染者が確認された場合には、与謝野町新型コロナウイルス感染症対策本部で決定した「与謝野町新型コロナウイルス感染症等に対する警戒レベル」に基づき、不要不急の外出の自粛要請を行うなどの対応をすることとしています。また、学校・企業・役場で複数の集団感染を確認した場合には、町の緊急事態宣言を発令し、町民の皆様の行動を制限する措置を講じていかなければなりません。

このような事態を避け、私たち自身や家族の安全を守るためには、何よりも適切な感染症対策を行う必要があります。私たち一人ひとりができる対策は、こまめな手洗い等を行うとともに、国の専門家会議が提言された３要素が同時に重なる場所を避けることです。一つは、換気の悪い密閉空間であること、二つは、多くの人が密集する、三つは、近距離で会話や発声したりすること、です。

現時点で与謝野町ではマスクを約６万枚保有しています。この間、町内の高齢者施設や児童生徒が集まる施設に配布してきましたが、数に限りがありますので、これからも同様の対応をしていきたいと考えています。また、本町では、先ほど申し上げた３要素が重なり合わない配慮を行いながら、行事や会議の開催を行っています。町民の皆様にも同様の対応を行っていただくために、イベント開催等の自粛判断基準をホームページで公表しましたので、ご確認いただきますようお願いします。

ご案内のとおり、本町では３月３日から小・中学校の臨時休業を行ってきましたが、文部科学省が公表した「学校再開ガイドライン」を踏まえて、徹底した対策を講じた上で、新学期から教育活動を再開することを決定しました。予断を許さない状況ではありますが、地域社会全体のバランスを考慮したうえでの判断であることをご理解いただきますよう、お願い申し上げます。

臨時休業期間中、児童生徒の皆さんは不安な時間を過ごしていたことと思いますが、よく我慢してくれました。本当にありがとう。ご家庭においても、ご負担をおかけしてしまいましたが、献身的なご協力をしてくださり、誠にありがとうございました。

私たちは自らの身の安全を守る行動を率先して取りながら、地域社会も守らなければなりません。この感染症の拡大に伴い、町民の皆様の経済・社会活動にも大きな影響が生じています。3月中旬に町商工会が行った緊急アンケート調査では、すべての業種で売り上げの減少や雇用情勢の悪化などといった結果が判明しました。長期化が見込まれる中、その影響の拡大を懸念しています。

これらの事態に対応するために、政府や京都府の支援策を最大限に活用するとともに、町独自の支援を実施していきます。現在、金融支援・雇用支援・地域循環型経済の促進という３つの柱で政策を立案している最中です。町内の経済情勢の悪影響を最小にとどめるとともに、終息後を見据えた対策を講じていきます。

町民の皆様の社会生活においても、不安が増している最中であると認識しています。とりわけ、経済的・身体的な不安を抱えておられる方、この度の臨時休業で心身のストレスをかけてしまった子どもたちに対する影響を心配しています。生活資金の支援や子どもたちの笑顔が広がる取り組みも必要であると認識しています。

これら経済・社会状況に対応するための予算につきましては、今月中旬までに取りまとめ、下旬に開催予定の臨時議会に提出する予定としています。議会にもご理解いただき、速やかに予算措置できるよう、最大限の努力を行います。

また、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、町税や保険料、公共料金の納付が困難になっている方々に対して、実情に応じて、猶予を行っていきます。

新型コロナウイルス感染症の影響は長期化していくことを覚悟しなければなりません。今後とも、事態の変化に応じて、住民の皆様の大切な日常生活を守るために、必要な施策を躊躇なく講じていきます。住民の皆様におかれましても、ご自身や大切な人たちを守るための対応をどうぞよろしくお願い申し上げます。

時代の転換期とも言える事態です。与謝野町の持続的な発展はこの困難を乗り越えることができたからだと、未来の住民に思ってもらえるよう、みんなでこの事態を乗り越えていきましょう。

令和２年４月１日　与謝野町長　山添藤真