手織りの帯.jpg
さまざまな色の糸がならぶ.jpg
作業中の茂籠さん、まさに職人です.jpg
京都府立加悦谷高等学校と京都府立宮津天橋高等学校加悦谷学舎の生徒が、生徒目線で与謝野町の課題や良さを発信する企画、題して「よさの高校生広報室@みらい」。
第3弾は、皆さんが数珠つなぎ企画で取材された内容を紹介します。
こんにちは!
与謝野町の良さを発信していく加悦谷高校・宮津天橋高校加悦谷学舎の高校生広報チーム「よさの高校生広報室@みらい」です。
数珠つなぎ企画として、前回山添町長から与謝野町のおもしろい人、活躍されている人を紹介してもらいました。
お一人目として、2月24日(水)、『京の名工』茂籠龍一郎(もろりゅういちろう)さんを取材し、手機の特徴や魅力、現在に至るまでの話をしていただきました。
■高い技術を必要とする織物
取材当日、茂籠さんはさまざまな色の糸で結婚式の着物で用いられる「打掛(うちかけ)」を織っておられました。ちりめんの生地に触れたとき1番印象に残ったことは、手織りならではの柔らかさで模様が膨らんでいるところがふわふわしていたこと。手機の良いところは、手で織るため軽く柔らかい生地に仕上がるからだそうです。小さな工程が積み重なり素敵な生地が目の前で織り上げられていく反物はまさにお宝そのもの。「誰からも教わらず自分次第で作れるところに楽しさを感じている」と話してくれました。
しかし、ひとつの作品を制作するのに約4ヶ月かかり、布の密度が細かいと修正ができず、1日かけて織ったもを直すのには3日かかるそうで、機を織ることは頭を使う上に、1度織ってしまうと後戻りや、やり直しが難しいことを知り、着物や帯がなぜ高額なのかということを実感。茂籠さんは、「高い技術を必要とする織物業界の中で技術者が減少し、織物のデザインもいちから自分で考えなければならない」と仰い、私たちには「環境や時代により人数や若者が減少しているが、これからの織物や和装産業、そして若者や高校生にも期待している」とメッセージをいただきました。後継者がいない状態が常となる中、1人でも織り続けておられる茂籠さんに、他の職にはない偉大さを感じました。
■多く人に知ってほしい「織物」
初めて織物を間近で見たメンバーは、「実際に見て、触れてみないとわからない織物の良さ」を感じることができ、また、ちりめんを身近に感じていたメンバーも、まだまだ知らないことが多くあり、あらためて織物の深さを感じる機会になりました。
取材を終えて全員が感じたことは「織物のような美しい物、文化が衰退していくのはもったいなく、織物産業が衰退していくのはいけない」ということと、衰退させないためには「若い人の力」が必要ということ。まずは私たちの記事が、多くの方々に織物の魅力や素晴らしさを知ってもらうきっかけになればと思います。
<取材メンバーの感想を紹介!>
・幼い頃は、外を歩くと機織りの音が聞こえ織物業がある日常が当たり前でしたが、織物産業が衰退していっているということをあらためて痛感しました。また、茂籠さんはとても楽しそうに織っておられたので織物業界が衰退していくのは嫌だと余計に感じました。
・衰退していく産業に茂籠さんは「仕方ないことだ」と仰ってましたが、仕方ないで終わらせたくないという気持ちと同時に自分たちの何もできない無力さに歯がゆさを覚えました。
・今の時代、和装を着る機会は滅多にないですが、織物をもっと身近に感じられるような活動があればいいのになと感じました。より多くの人にも織物の良さを知って欲しいです。高校生1人の力ではどうすることもできませんが、何か着物や織物に全年齢の方々が触れられる行事などがあればと思いました。
・最近では自分好みにデザインしたい人や織物を織る体験をしたい人が多いのではないかと思うので、そういったイベント、着物・浴衣でのみ参加できる地域のお祭り、着物を着る体験を授業に取り入れるなどができれば楽しそうだと思いました。